電磁波をつかって発電するワイヤレス給電が流行り始めた今日この頃(?)ですが、時代は既に、”空気中を飛び交う電波すべてをエネルギーに変えよう”と模索しているようです。
実際にアメリカでは、さまざまな周波数の電磁波を受信して、発電できる半導体の普及が進んでいて、”家のなかの煙を検知するセンサーの電源”に使われていたりします。
携帯電話の電波で発電する半導体「P3110」
「東京エレクトロンデバイス(TED)」は、米「パワーキャスト(Powercast)」と共同で、”携帯電話の電波のエネルギーを電気に変える”特殊な発電デバイス「P3110」を開発しました。
タブレット端末に搭載すると、データの保存やメールの送受信といった作業であれば、”主電源が切れても続けられる”そうです。
”部屋や屋外の電波”を自動的に受信して発電できる半導体チップ
特長
空気中の電波をつかって発電!
日本の携帯電話の周波数帯(800メガヘルツ帯)の電波を使って、”数ミリアンペアの電気を発電”することができます。
非常用電源を確保できる!
小型の蓄電器に発電した電気をためることで”非常用電源として利用”できます。また、蓄電池には”1日で数アンペア”の電気を充電できるそうです。
さらに、あわせて発売される「インフィニット・パワー・ソリューションズ(IPS)」の小型リチウムイオン2次電池「THINERGY」と組み合わせると、最大2.5ミリアンペア蓄電でき、タブレット端末の主電源が切れた場合でも数分間は駆動できるそうです。
仕組み
どうして電波で発電できるの?
空気中には目には見えない電波(テレビの放送波や携帯電話の電波など)がたくさん飛んでいます。
この見えない電波ですが、実はエネルギーを持っています。たとえば、ラジオ放送の電波は受信されると、音のエネルギーへ変換されて、私たちの耳に届いています。
電波のエネルギーは、音のエネルギーだけでなく、電気のエネルギーにも変えることができます。そして、今回の半導体の中には、電波を電気に変える特殊な素子が組み込まれています。
用途
用途は、タブレット端末やノートパソコンなどの小型電子機器を想定していて、3年間で20億円程度の売上高を見込んでいるそうです。
動画
iPhoneの電波をつかって、テストボード上のエネルギーハーベスティングキット(P2110)を動作させるデモ
カラダに害がありそうな電磁波はすべて電気エネルギーへと変換してほしいな。
電力が少しでもあったら助かる電子機器は、家庭内の検知器もそうだけど、他にも沢山あると思う。
スマートハウスの取り組みのなかでも有効に使えるだろうし、このデバイスの未来は明るいっ!