鉛筆の芯などの身近な材料から出来る「カーボンナノチューブ(Carbon NanoTube:CNT)」は、様々な性質を持ち、未来を切り拓く可能性を持った素材として注目されています。今回は、このCNTを使った画期的なセンサーを紹介します。

 

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「産業技術総合研究所(産総研)」は、従来の金属製センサーと比べて50倍の小ささの歪みまで検出できる「CNTひずみセンサー」を開発しました。また、本センサーを応用して、呼吸、発声、手の動き、足の動きを計測する機器を試作しました。

 

このセンサーを衣服などに取り付けておくことで、日常生活の中で何をしているかを記録できるようになります。たとえば、子供や高齢者が転倒したらアラームを鳴らしたり、腕を振ったら家電製品のスイッチが入るといったことが簡単に実現できるようになります。

 

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どのような運動をしたのか、どの部分を動かしたのかが一目で分かる!

特長

検出感度だけでなく、耐久性も高く、繰り返し検出できる回数が増えました。また、応答性能も向上していて、ひずみ始めたときの検出反応時間が14msと、ひずみ測定センサーの中では最速値を記録しました。

 

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CNTひずみセンサーの特性:歪みが大きくなると電気抵抗が大きくなり、流れる電流が減る

 

用途

基本的には、ウェアラブルデバイスへの応用を考えているようです。

医療分野

  • リハビリテーション時の患者の動きの計測
  • 呼吸モニター
  • データグローブ

エンターテイメント

  • コンピューターゲームの入力装置

 

仕組み

歪むと電気抵抗が変化するCNTフィルムを敷き詰めて、ひずみセンサを作成します。計測したい手や足などの可動域にくっつけることで、動きをモニタリングすることができます。

 

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CNTひずみセンサーの作り方(上)、ヒザの動きをモニタリングするときの様子(下)

 

人体の動きを測定できるカーボンナノチューブひずみセンサー

引用元:独立行政法人 科学技術振興機構

 

やわらかくて軽いので、どこにでも付けられるのが嬉しいですね。小型の無線機器と組み合わせたりしたら、さらに自由度が増えて無限の可能性を秘めたセンサーになりそう。