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産業技術総合研究所」は、電気を流して光を反射したり通したりする新しい「調光ガラス用フィルム」を開発しました。従来のフィルムより寿命を延ばし、1年以上たっても劣化しない性能を持たせました。

 

特長

鏡状態から透明状態へ切り替えられる!

電気を流すと一瞬で無色透明になります。そして、いったん透明になると電気を流さなくても半日ほど透明な状態を維持できます。

 

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電気で切り替えられる調光ミラー(左:透明状態、右:鏡状態)

 

透明状態から鏡状態にもなる!

さきほどとは反対の向きに電気を流すと、鏡のように光を反射する状態へ戻ります。このときの電気代はほとんど掛からないそうです。

 

光の透過率は、透明な状態で50%、鏡の状態で0.1%になります。

 

使い道(想定用途)

窓ガラス

家やオフィス、自動車などの窓ガラスを鏡状態にすることで、夏場の太陽光による室温上昇を防ぎ、冷房費用を削減することができます。また、商店では閉店後の防犯対策にもなります。

 

電気製品

基板内部の光スイッチイングとして使用できるかもしれません。また、鏡を使っている一眼レフカメラなどの光学製品で、新たなブレイクスルーを生み出すキッカケになりそうです。

 

仕組み(詳細)

フィルムはガラス基板に導電膜や酸化タングステン、酸化タンタル、触媒などを載せて加工し、その上にマグネシウム&ニッケル&チタン合金製の調光層を重ねてあります。

 

この調光層の厚さは約40ナノメートルで、電気を流すと酸化タングステンに蓄えられた水素イオンと結合して、無色透明になるという仕組みになっています。

 

また、寿命を伸ばすために、紫外線を当てると固まる高分子材料を調光層に塗っています。高分子材料の塗膜の厚みは約5~10マイクロメートルで、空気中の水分による調光層の酸化を防いでいます。

 

今後の展開

住宅やビルなどの窓ガラスとして、来年をめどに商品化する予定です。

無色性と高い可視光透過率を両立した新規調光ミラー材料を開発

引用元:産総研

 

光を扱うあらゆる製品に利用できるので、応用範囲がとてつもなく広い技術ですね。消費電力が小さく、携帯電話での応用も考えているそうです。テレビを鏡に変えて大きなスタンドミラーとして使えたら便利かも。

 

一眼カメラへの応用では、透過率50%なので光量が半分に落ちてしまうデメリットがあるけど、それ以上に享受できるメリットが大きそう。たとえば、シャッター時のミラーアップが無くなるだけで、故障率は大きく下がるし、コスト面で結構効いてくると思う。