1973年にアメリカで遺伝子組み換えが成功してから約40年が経とうとしています。当初は、DNAを書き換えてしまう恐ろしい技術として、安全性を問題視されていました。

 

しかし、ガイドラインが制定されてからは、逆にその効果の高さが注目されて、収穫量を増やすための遺伝子組み換え作物の登場など、身近なところで使われる技術になってきました。

 

今回は、遺伝子組み換え技術があったからこそ成し得た研究開発について紹介します。サハラ砂漠より南の地域に住んでいる、たくさんの子供たちの命を助けてくれる技術になると思います。

 

マラリアなどの感染症を撲滅するスプレーを開発

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メリーランド大学(University of Maryland)」の研究チームは、蚊の内部にいるマラリアを引き起こす病原体を死滅させることに成功しました。

 

研究紹介

マラリアとは

マラリアは、マラリア原虫と呼ばれる病原体を蚊が運び(媒介して)、人に感染します。WHO世界保健機関によると、毎年2億4000万人が感染し、85万人が死亡しているそうです。

 

マラリアを殺す仕組みについて

研究チームは、マラリア原虫を攻撃する抗体と、サソリの毒の遺伝子を組み込んだ菌類(カビ)を作製しました。

 

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開発した菌類(光っている部分)は、蚊の体内で抗体とサソリの毒を出して原虫を攻撃

病原体への効果について

実際に原虫を運ぶ蚊の中に侵入して、蚊の内部の病原体を攻撃することに成功し、蚊が媒介して病原体を運ぶ、デング熱などの他の感染症にも有効なことを確認しています。

 

利用方法

使い方は簡単で、菌類を水分と混ぜてスプレーのように蚊に噴射するだけで済みます。

 

研究者の声

 

いつまで使える技術なのか

もちろん、いつかは蚊が進化して抗体を持ち、効果がなくなる可能性がありますが、研究チームは、今回の遺伝子組み換え技術だけで数十年は対応できると自信を見せています。

 

Study Shows UMD Designed Fungi Can Combat Malaria, Lyme Disease & Other Bug-Borne Illnesses

引用元:University of Maryland

 

蚊自体を殺す作用は弱いみたいだけど、内部の病原体だけを標的にして倒すことができるなんて凄いっ!