自然界に学び、製品になったものが数多くあります。たとえば、「INAX」はカタツムリの殻をもとに汚れにくい外壁材「ナノ親水」を開発したり、「日東電工」は垂直な壁を自由に登れるヤモリをヒントに粘着材「ヤモリテープ」を開発しました。

 

今回は、自然が生み出した最もキレイなデザインといわれている六角形「ハニカム構造」をもとに作られた製品の紹介。

 

超軽量、高強度のハニカムコア素材「TECCELL」

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新素材の製品化を手がける「甲賀高分子」は、鉄並みの強度で重量が7分の1と軽いハニカムコア素材「TECCELL(テックセル)」の用途開発を行っています。

 

ハニカムコア素材「TECCELL(テックセル)」とは

「TECCELL」は、樹脂メーカー「岐阜プラスチック工業」が開発した軽くて強いプラスチック素材です。

特長

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鉄と違って、どんな形にも簡単に加工することができ、それでいて軽くて錆びないという特長を持っています。

軽さの比較

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鉄と同じ強度(曲げ剛性:曲がりにくさ)を出すために、「TECCELL」だと重量が7分の1で済むので、一気に軽量化を図ることができます。アルミと比べても3分の1なのでかなり軽いですね。

 

軽くて強い秘密

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軽いのに強度が高い理由は、ハニカム構造といわれる形状にあります。六角形の筒を平面に敷き詰めて並べたものをハニカム(Honeycomb:蜂の巣)構造と言い、正六角形のハニカム構造を持つ蜂の巣は非常に軽くて丈夫だと言われています。

 

製法

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作り方(製法)は、材料となる高分子合成樹脂(プラスチック)を蜂の巣のような六角形に加工して、それを規則正しく並べ、上部と下部をフィルムでサンドイッチ状に挟み込んでいます。

 

今後の展開

これまでの実績は、自動車メーカーの工場で使うケースや、住宅メーカー向けのパレット、航空コンテナなど多岐に渡ります。将来は、ハニカムコア素材製品で10億円の売り上げを目標としています。

 

自然界には、一見無駄に見えるものであっても、実は重要な意味を持つ特性や機能を持った生物や植物が沢山います。人類はまだそういった知恵を発見、収集している途中であり、そこからさらに、日常で使える技術へと転化していけるかが技術者としての腕の見せ所でもあります。