中東に住む人たちは、長年にわたり新鮮な水を得ることを夢見てきましたが、それを解決する技術がアブダビの科学者たちの手によって開発されました。

 

中国でも似たような技術がありましたが、あれは化学物質を空中に打ち上げて人工的に雨を降らせて雨雲を消し、ターゲットとなる場所に雨が降らないにようにする消雨技術でした。

 

今回紹介する技術は、自然界と全く同じシステムで雲を作り出して、乾燥地帯に雨雲を送り届けるため、非常に環境に優しい技術と言えます。

 

砂漠で雨雲を生成するテクノロジー「ウェザーテック」

20110105_weather_1

1年中雨が降らないアラブ首長国連邦の砂丘(この地域に恵の雨が降りました!)

 

「The Metro System(メトロシステム)」は「Max Planck Institute for Meteorology(マックスプランク研究所)」と共同で、「ionisers(イオナイザー)」と呼ばれる雨雲発生装置を使って、雨を降らす技術「Weathertec(ウェザーテック)」を開発しました。

 

アブダビの東にあるアルタイン地域でイオナイザーを使って雲を生成した結果、アブダビには去年1年間で50個の雨雲が到来しました。

天候を自在に操る方法

20110105_weather_2

 

  1. イオナイザーから帯電した粒子を放出します
  2. 陽子(プラスイオン:正の電荷)は地中へ、電子(マイナスイオン:負の電荷)は日光で温められた空気によって発生した上昇気流に乗り上空へと移動します
  3. 電子の周りに水の分子が集まってきて雲を形成し、十分な水分があった場合に雨が降ります

 

新鮮な水(雨雲)を作るのに必要な値段

イオナイザーと、従来の海水淡水化プラントを比較してみましたが、圧倒的に安いですね。

初期費用(建設、設置)

  • イオナイザー:9億円(700万ポンド)
  • 海水淡水化プラント:1090億円(8億5000万ポンド)

1年間あたりの費用(稼働、整備)

  • イオナイザー:8億円(600万ポンド)
  • 海水淡水化プラント:58億円(4500万ポンド)

 

Have scientists discovered how to create downpours in the desert?

ソース:Mail Online

 

人智が自然を克服し、凌駕する時代が来てしまうのかな。天候をコントロール(制御)する技術は革新的だけど、期待と同時に不安もよぎります。自然界に人類がここまで立ち入っていいものか。一方で、本当に水を必要としている地域もあるので、早く実用化して欲しい気持ちも。